AI・仕事の進め方 / 質問と編集

AIの記事が一般論ばかりになる。書き直す前に、聞くことを変えてみる。

「もっと具体的に」と頼んでも、長い説明が増えるだけ。そんなときは、原稿よりも材料を見直します。MA66レビューを作った際のつねさんの回答を例に、体験を引き出す質問と、書いてよい範囲の決め方を整理しました。

感想から、実際の撮影場面へ。質問を一つ挟むと、本文に残せる具体例が変わる
感想から、実際の撮影場面へ。質問を一つ挟むと、本文に残せる具体例が変わるHITORIBAの解説図

本人の回答はHITORIBAの記事制作時のやり取りをもとに整理しています。以下の質問の順番・依頼文・修正文は、今回作成した編集例です。実際の対話全文や、特定AIの性能比較ではありません。

「薄い記事」には、違う二つの原因がある。

同じ話が何度も出てくる原稿と、話の根拠そのものがない原稿は、直し方が違います。前者なら段落を統合できます。後者は、言い回しだけ整えても判断材料が増えません。

HITORIBAの編集上の切り分け。記事の良し悪しを自動判定する基準ではありません。
原稿の状態先にすること避けたい修正
同じ感想を繰り返している重なる段落を一つにする見出しを増やして分散する
便利とあるが、使用場面がないどこで何をしたかを本人に聞くもっと臨場感を足すよう頼む
おすすめとあるが、理由が不明何が選ぶ決め手かを聞く最強・必須などの言葉を強める
使った機器や条件が不明記録や実物で確かめるよくある構成を推測して埋める

最初の確認は、「この段落の商品名を別の製品に替えても、そのまま通じるか」です。通じること自体が間違いではありません。ただ、レビューの結論までそれで成立するなら、本人が使った場面が落ちていないかを確かめます。

文字数は、材料が揃った後に考える

書ける根拠が少ない段階で文字数だけ指定すると、同じ話を膨らませたくなります。まず一段落でよいので、どの体験からそう思ったかを説明できる状態にします。

MA66では、評価と場面を分けると材料が見えた。

つねさんがMA66について話したのは、多機能で、磁石があり、付けっぱなしでスタンドにもなること。価格は安いと感じ、コンパクトにまとめられるという評価もありました。その後、路上のドラム缶に固定してVlogを撮ったこと、自費購入品であることが分かりました。

対話から整理した材料。製品の全仕様や適合条件を検証した一覧ではありません。
本人から得た材料情報の種類原稿での扱い
路上のドラム缶に固定してVlog撮影使った場面具体的な使用例として書く
付けっぱなしでスタンドにもなる使い方と感想につながる情報取り回しの話と一緒に説明する
価格が安いと感じる本人の価格評価現在価格や市場最安とは区別する
惜しい点は特にない本人の評価不満を創作しない
購入品であるレビューの前提冒頭付近に短く明示する

この表だけでは分からないこともあります。固定していた時間、ドラム缶表面の状態、以前の道具と比べた準備時間などです。本文に必要なら聞き直せますが、分からないまま「強風でも安定」「準備が半分になった」と足すことはできません。

大事なのは、回答が短いことを材料不足と決めつけないことです。「ドラム缶に固定しました」は短い返答でも、何に取り付けたかという疑問には答えています。文章の長さより、疑問が一つ解けたかを見ます。

全部聞かず、返ってきた答えの足りない部分だけ聞く。

毎回十問のアンケートを渡すと、記事を書く前に本人の負担が増えます。最初は「最近、それを使って助かった場面を一つ教えてください」で始めるのが、ここで提案する進め方です。

質問の分岐例。最後の行は本人への追加質問ではなく、編集側の次の作業です。
返ってきた答えの例次に聞くこと確かめたい点
外で便利だったそのとき、どこに置いたり取り付けたりしましたか場所と動作
ドラム缶に固定したその置き方で、何を撮りましたか使う目的
撮り方を変えやすかった付け外しや持ち替えで、何が楽でしたか本人が評価した操作
前より速かった時間を測りましたか、それとも体感ですか数値にできるか
特に不満はない追加の不満探しはせず、必要な対応条件を資料で確認する感想と仕様を分ける

答えを誘導する聞き方にはしない

「磁石のおかげで準備が大幅に楽になりましたよね」と聞けば、質問の中に結論が入ります。「使うときに、どんな操作をしましたか」と聞けば、便利だった点も、変わらなかった点も答えられます。

結論を含んだ質問の例

これ一つで三脚が不要になったのでは?

状況を確かめる質問の例

この撮影では何に固定しましたか。別の支えも使いましたか。

質問がうまくても、本人が覚えていないことはあります。その場合は「不明」で止めます。動画に映っていれば動画で確認し、映っていなければ次の撮影で記録する。過去の体験を整った物語にするために補完する必要はありません。

詳しくするとは、形容詞を増やすことではない。

ここからは、同じ素材で原稿を組み直す例です。本人の発言をそのまま引用した文章ではなく、編集の違いを見るために作っています。

具体性が足りない原稿の例

MA66は非常に便利なアクセサリーです。多機能で使いやすく、さまざまな撮影に対応するので、一人で撮る人におすすめです。

確認できた材料で直した例

つねさんは、路上のドラム缶にMA66を固定してVlogを撮った。磁石で固定できることに加え、装着したままスタンドとして使えるため、取り回しの面倒が少ないと感じている。この撮影で評価したのは、撮り方を切り替える際の使いやすさだった。

修正後は、「誰が」「何をしたか」「どこを評価したか」が追えます。一方で、固定の強さや耐久性の評価は加えていません。元の素材にないことだからです。

それでも、書かない結論を決める

この材料から「すべてのVlog撮影に必須」とは書きません。固定する場所がない場面について、この記事の素材だけでは評価できないからです。結論は「こう使う本人には、取り回しのよさが選ぶ理由になっている」までに置きます。

具体例を入れた後に、最後だけ無条件のおすすめへ戻っていないか。私はそこも確認したいと思います。広い言葉で締めるより、どんな使い方の話だったかが残るほうが、読む人は自分と比べられます。

いつまで聞くか。三つ揃えば、下書きに進む。

01場面どこで何をしたか
02評価何がよかったか
03根拠発言・写真・記録
04下書き書ける範囲を決める

この三つが揃い、読者の問いに答えられるなら、まず下書きに進めます。反対に、どれだけ詳しい仕様があっても、本人が何をしたかが分からないなら、体験談としての本文は保留します。

質問を増やすか迷ったら、「その答えで結論が変わるか」を考えます。対応機器が違えば使えない製品なら機器の確認は必要です。一方、持ち運びの話を扱わない記事で、バッグの細かな中身まで聞く必要はありません。

追加質問は、本人の代わりに調べられないことへ

最新仕様は公式資料で調べる。撮った場面は動画を見る。それでも分からない本人の判断や感覚を聞く。この順なら、同じ説明を何度もお願いする負担を減らせます。

AIを聞き手にするときの依頼文。

私の体験をもとに記事を作ります。まず聞き手になってください。
読者の問い:[この記事で答えたいこと]
手元の素材:[感想・写真・動画の記録]

最初に、素材から分かる「使った場面」「評価」「根拠」を整理してください。
不足があれば、結論に必要な質問を一度に最大3つしてください。

質問の条件:
・回答を誘導する結論を質問に入れない。
・すでに答えたことは繰り返し聞かない。
・仕様は資料で調べ、本人にしか分からないことを優先する。
・不満がないと答えた場合、欠点を作るために聞き続けない。
・数値が出たら、実測か体感かを分ける。
・答えが不明なら、推測で埋めない。

材料が揃ったら、書ける結論と書けない結論を示してください。
私の体験にない内容を補わず、一段落の下書きにしてください。

この依頼文を使っても、回答の分類が必ず正しくなるわけではありません。返ってきた表と自分の回答を見比べ、感想が測定結果に変わっていないかを確認します。過去の対話を素材にする場合も、AIが実際に参照できる範囲を確かめます。

HITORIBAの見解

私は、整った長文より、次に聞く一問を評価したい。

この欄の「私」は、AIが執筆した編集上の考察です。運営者の実体験・使用レビューではありません。

一般論の原稿を渡されて「もっと具体的に」と直す作業は、書き手にも読み手にも負担がかかります。私は、材料が薄いときに無理に執筆せず、「何に固定しましたか」と一問返せる進め方のほうを評価したいです。

ただし、質問が多ければよいとも思いません。AIを使うたびに長い取材に付き合うなら、一人仕事の助けになりにくい。既存の動画と発言を整理し、足りない一点だけを聞くことに意味があります。

今回のMA66のように、短い回答から使った場面が一つ分かれば、その材料を丁寧に書く。次の記事に足りない体験は、次に撮影するときに残す。そのほうが、今ある素材を薄く引き伸ばすより、記事を増やしながら独自性を保ちやすいと考えます。

まず、手元の記事の「便利」を一つ選ぶ。

  1. 「便利」「使いやすい」「おすすめ」がある段落を一つ選ぶ。
  2. その理由になる場面が、本文か素材に残っているか確認する。
  3. なければ、本人に必要な質問を一つする。
  4. 回答を使って、場面・評価・根拠が分かる一段落へ直す。
  5. 回答にない性能や体験を増やしていないか見比べる。

一記事全部を直す前に、一段落で試してみてください。修正の方向が決まれば、残りの段落にも同じ確認を使えます。

完成した使用レビューはUlanzi MA66の記事で読めます。動画の素材整理から写真選び、公開前の照合までの全体像は、動画1本からブログ記事を作るにまとめています。

この記事の確認範囲や画像の扱いについては、編集方針をご覧ください。

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